自動車板金で使う道具です。
事故や追突で損傷したフレーム・内板骨格(ないはんこっかく)パネルをクランプで挟み込み正常な位置まで引き出しすときに使います。
15~20年前の自動車に使われていた軟鋼板(なんこうはん)とは違い現代は高張力鋼板(こうちょうりょくこうはん・ハイテン材)に変わりました。
軟鋼板は柔らかいので従来のクランプでも食いついてくれました。
しかし高張力鋼板は薄く、強度がありとても硬いパネルです。
その高張力鋼板の板厚が厚い部分に従来のクランプを使っても引っ張る時に滑ってしまって歯が立ちません。
また大きな力で(数㌧)引っ張るので外れて飛んで来たら非常に危険です!
クランプは鉄のかたまりなので1度購入すると歯のメンテンナス次第ではず~っと使う事が出来ます。
昔からあるオートポール製クランプは軟鋼板用。
今回ご紹介するピラニアクランプは高張力鋼板(ハイテン材)対応になります。
軟鋼板時代からある従来のクランプ
当店で所有してますオートポール製(前田機工)クランプです。
内板骨格に高張力鋼板が採用されて来た頃こちらのクランプで大きな力をかける作業は危険を感じるようになりました。
しかしコレはコレで大きな力を必要としない箇所には便利です。
ナット部分
ナットとワッシャです。
強い力で締め付けるのでだいぶ摩耗してます。
こうなったら交換です。
※ボルトも消耗品です。
歯の部分
つかみこむ歯の部分です。
長年使ってるので歯の山が無くなり一部欠損してます。
こうなるとクランピングしても滑ってしまい大変危険です。
※歯のメンテンナスは可能です。最寄りの販売店担当までご確認を!
高張力鋼板対応ピラニアクランプ
ハイテン材対応ピラニアクランプです。
従来品に比べクランピング力があります。
鉄の剛性もあり作りがしっかりしてます。
ナット部分
ベアリングナットを採用。
これにより締め込み易くしっかりと食付きます。
また通常のボルトワッシャと違い長持ちします。
歯の部分
使用頻度にもよりますが10年使ってます。
歯の摩耗も少なく欠損もありません。
※歯のメンテンナスは可能です。最寄りの販売店担当までご確認を!
ピラニアクランプ使用例
車後部の画像です。
衝突により矢印方向へ損傷があります。
こちらの部分をクランプでつかみ引き出してみます。
硬い鋼鈑が重なっている部分ですので修復するには強く引く力が必要とされます。
車両をジグ式フレーム修正機に固定し引っ張る力で車体が動かないようにします。
油圧ラムが付いた黄色いタワーとチェーンを利用して損傷部を引き出す作業をします。
ピラニアクランプで損傷部位をつかみます。
ベアリングナットの締め付けには24mmロングコンビネーションレンチが使いやすいです。
※インパクトレンチでの締め付けは☓です!ちゃんとレンチを使い手の力で締め付けましょう!
矢印方向へ引っ張ります。
※10tの力で引っ張る事ができる油圧ラムを装着してますのでクランプが外れると大変危険です。
安全のためワイヤーフックを利用して、もしもクランプが外れた時に飛んでいかないようにしましょう。
簡単ですが使用例のご紹介でした。
クランプ収納例
当店では色々なタイプを在庫してます。
適材適所に対応させようとするとどうしても色々な形が必要になります。
▲当店クランプの収納方法です▲
沢山のクランプがあります。
左がピラニアクランプで右側がオートポールクランプです。
▲ホームセンターの商品棚を参考に整理整頓をしています▲
アングルと網とフックを買って用意します。
アングルを両柱に溶接しアングルに網を溶接します。
そこにフックをかければ完成!
参考にしてみてください。
まとめ
作業者の安全を第一に!
消耗したクランプ使ってませんか?
ボルトナットは早めの交換を!
また歯が摩耗したら最寄りの販売店までご連絡を!
危険を感じるならピラニアクランプで安全安心を!
日本製品なので制度が良く丈夫で長持ちします。
ピラニアクランプを買うなら