自動車のパネルはボンネット・フェンダー・ドア・のようにボルトオンパネルがあります。
(ボルトやネジで止まっているパネル)
それとスポット溶接されて付いているパネルがあります。
リヤフェンダーやサイドシルパネルそしてフレーム関係の内板骨格(ないはんこっかく)など。
自動車板金では事故で損傷したスポット溶接されているパネルを取り替える時にスポットカッターと言うドリルを使用します。
一般的な鉄工ドリルとは先端の形が異なり一本あたりの価格も大変高価です。
それではスポットカッターのご紹介です。
スポットカッターとは?
マルテー 大塚刷毛製造株式会社 日本製(製造元 不二越) BD-8.2 (3本入)
一般的に業界ではスポットカッター=スポットドリルと呼んでいます。
中身です。 スポットドリル3本入り。
箱の上部、ドリルの歯が当たる所にクッションパットが入ってます。
嬉しい気遣いですね。
頻繁に使う8.2mmサイズです。
1つの仕事に対して複数本あると時間短縮にもなります。
1本1本研いで仕事していたら時間がかかってしまいます。
(手が空いた時にまとめてスポットカッター研磨機で研ぎます)
スポットカッター豆知識
赤矢印の箇所に、くぼみがあるのがお分かりでしょうか?
ここまで使うとドリルの寿命となります。
交換しましょう!突然切れなくなるポイントです。
※消耗品です!
スポット溶接痕
赤丸の丸い打痕(だこん)がスポット溶接です。
同業者さんはお分かりですね。
この打痕をスポットドリルの歯を使いパネルを外していきます。
スポット溶接のはがし方
ズポットカッターをお手持ちの電動ドリルやエアードリルにセットします。
そして重なり合う表の損傷したパネル一枚をスポットドリルで揉んでいきます。
キュイ~~ン!
当店ではコードレスタイプの電動ドリルを使っています。
【動画】スポット溶接はがし
▲簡単に使い方のデモ動画を撮ってみました▲
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電動ドリルは高張力鋼板のスポット溶接はがしに役立ちます
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▲電動ドリルについてはこちらの関連記事で書いてます
スポット溶接を外したパネル
この様に表1枚をスポットカッターでくり抜きパネルの間にタガネを入れると簡単に取り外す事ができます。
▼Y'sボディーで使っているタガネはこちらです。
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1枚穴を開けた向こうにも鉄板があるので貫通させないように注意しながらの作業です。
スポット溶接痕に対してスポットドリルの径が大きいので重なって溶接されたパネル表1枚をドリルで抜くと外れる原理ですね。
こちらが今回のスポットカッター8.2mmを使い取り外したサイドシルパネルです。
1本で問題なく取り外す事ができました。
スポットドリルが切れなくなった替えながら作業するのですが、今回は外板パネルと言う事もありまだまだ切れ味が残ってました。
この他にも他メーカーのスポットカッターも(これよりも高価です)所有していますがブルドックカッターは3本入りでお得感もあり大変重宝しております。
参考までに今回ご紹介した ブルドックスポットカッターの製品カタログ(PDF) です。